と、それから中二日置いて、又同じ時刻にやって来て、その日は六時過ぎになっても帰らないので、お春の一存で国道の菱富から料理を取り寄せ、お銚子まで一本添えて出すと、すっかり嬉しがってしまって、九時になってもまだ話している始末であったが、ようよう帰って行ったあとで、お春どん、あんな余計なことせんかてええのんに、と、妙子がえらく機嫌を悪くした。
あの人、ちょっとでも優しい顔見せたら何ぼでも図に乗るよってにな、と云うのであったが、でも、そう云う妙子がたった今まで愛想よくあしらっていた後だったので、自分が何で叱られたのやら、お春にはさっぱり呑み込めなかった。
妙子が予想した通り、思いの外の優待に味を占めた奥畑は、二三日すると又訪ねて来、夕飯に菱富の料理を食べ、十時になっても帰ろうとせず、しまいに泊って行くと云い出したので、一往電話で幸子の許可を得た上で、窮屈だけれども八畳の間に、病人の床と「水戸ちゃん」の床に並べて、この間じゅう雪子が寝ていた床を敷いて泊め、特にその晩はお春も居残って、これは有り合せの座布団に毛布を被って次の間で寝た。