と、その晩幸子は夫の耳に囁いたが、貞之助もそれに異存はなかった。
でも、寝物語の末には現実の世界にも触れ、娘や妹たちの噂も出たが、幸子は夫のこんなにも機嫌のよい折を逸してはと思い、妙子の話をそっと持ち出して、一遍あなたも会うてやってくれるように、と云うと、ふん、それは僕かて分っている、と、夫は直ぐ承知して、僕はこいさんに少し強う当り過ぎた、ああ云う人はあまり厳しゅう扱うと、却って余計グレるようになるので、結局僕等が一層迷惑しなければならない、矢張これからは、なるたけ雪子ちゃんと差別待遇せん方がええやろな、と云ったりした。
二十六