あんなことは貞之助の耳にも入れず、妙子にもそれを持ち出して難詰するようなことはしまい、それよりは自分達にも一半の責任があることを思い、出来るだけ温かい愛情を以て、この変り種の妹の心を和げるようにして行こう、と、別に話し合った訳ではないが、二人の気持が自然とそこへ来ていたので、食堂の空気も至ってなごやかに、近来兎角しめりがちであった家の中に一陽来復した感があり、大人達は皆いつもより酒の量を過した。
と、こいちゃん今夜は泊って行きなさい、と悦子が云い出し、その尾について貞之助達も勧めるので、とうとう泊ることになったが、悦子の喜び方は非常で、こいちゃん今夜は悦子の部屋で姉ちゃんと悦子と三人で寝なさいと、こう云う時の癖で、ひどく興奮して燥いだりした。
妙子はもう、以前の彼女が持っていた性的魅力を完全に取り返していた。