妙子はもう、以前の彼女が持っていた性的魅力を完全に取り返していた。
あの病気の時に幸子が見た、廃頽した、疲れ切ったような感じ、―――どす黝く濁った、花柳病でもありそうな血色、―――ああ云う風に皮膚が一遍たるんでしまっては、もうもとの溌剌さに立ち復ることは出来まいかと思えたのに、いつの間にか又活き活きとした、頬の豊かな近代娘になっていた。
でも貞之助が本家の手前を考えて、当分別居だけはしていた方がよい、と云うことだったので、矢張甲麓荘に寝起きしつつ、毎日大概半日は蘆屋で暮すようにしていた。
妙子はもう、以前の彼女が持っていた性的魅力を完全に取り返していた。
あの病気の時に幸子が見た、廃頽した、疲れ切ったような感じ、―――どす黝く濁った、花柳病でもありそうな血色、―――ああ云う風に皮膚が一遍たるんでしまっては、もうもとの溌剌さに立ち復ることは出来まいかと思えたのに、いつの間にか又活き活きとした、頬の豊かな近代娘になっていた。
でも貞之助が本家の手前を考えて、当分別居だけはしていた方がよい、と云うことだったので、矢張甲麓荘に寝起きしつつ、毎日大概半日は蘆屋で暮すようにしていた。