それは幸子が取って来てくれる注文の仕事をするのであったが、もともと洋裁は好きなので、やり出すとなかなか熱心に続け、夕食もそこそこにして又二階へ上ったりした。
幸子はなるべく奥畑に妙子のことで金銭上の迷惑を掛けないようにと思うところから、それと云わずに始終注文を貰って来てやるのであったが、そう云う風に精出して働いている妙子を見ると、又いとしくもなって来るのであった。
ほんとうに、この妹にはこう云う仕事好きな一面もあったのだ、活動的で、じっとしていられない性分であるから、グレ出したら悪い方へもどんどんグレて行くけれども、導きようで良い方へも伸びる人なのだ、才能があって、手先が器用で、僅かな間に何事でもモノにしてしまう妙子、………舞を舞わしても上手であるし、人形を作らしても立派なものだし、洋服を縫わせれば又この通りだし、………全く、まだ三十になるやならずの女の身で、こんなにもいろいろの技術を備えている者があるだろうか。