大方毎日欠かさずに蘆屋へ来ることは来るが、夕方から来て晩までいるか、朝から来て夕方ぷいと出て行ってしまうか、その孰れかでない日はないので、半日は必ず何処かで過すらしいのであるが、その間に啓坊と逢っているのだろうか、それとも相手は啓坊ではないのであろうか。
―――と、二人の姉たちは内々で気を揉みながら、直接ぶつかって聞いて見ることはしなかった。
姉たちの願うところは奥畑の婆やと同様で、こうなったからには矢張啓坊と一緒になって欲しいのであったが、短兵急に攻め立てるのは上策でないことを知っているので、そのうちには妙子の心境が変化してくれるであろうことを祈っていたのであった。