お附と云っても式部官だの侍従だのと云う高級官吏ではなく、単に皇帝の側近に仕えて身の周りの世話をするボーイのようなものであるから、智能や学問はどうでもよい。
ただ素姓のはっきりしている者、ブルジョア育ちの、容貌が端正で儀礼や身嗜みの心得のある者、と云うことなので、つまりお上品な坊々でさえあれば頭は少しぐらい低能でもよい、と云うのであるから、全く啓ちゃんに持って来いの口なのである。
それで啓ちゃんの兄さんたちも、そんな口があるなら是非その募集に応じて満洲へ行け、皇帝のお附なら人聞きもよいし、仕事は何もむずかしいことはないのだろうから、啓三郎には実に向いている、啓三郎がその気になって満洲へ行くなら、門出の祝いに勘当を許してやろう、と、そう云っているのであると云う。