それに、始めから終りまで孰方も大きな声を立てず、鎖された食堂の中で普通の声で云い合っていたので、台所の女中たちも気が付かなかったくらいであったが、今のバタンと云う響がただごとでなかったので、お秋がびっくりして廊下へ飛んで出た。
と、廊下には誰もいないので、食堂のドーアを細目に開けて覗いて見ると、今までいた筈の妙子が見えず、幸子と雪子とが食器棚の抽出からテーブルクロースを出したり、一輪挿を片附けたりしていた。
そして幸子が、
それに、始めから終りまで孰方も大きな声を立てず、鎖された食堂の中で普通の声で云い合っていたので、台所の女中たちも気が付かなかったくらいであったが、今のバタンと云う響がただごとでなかったので、お秋がびっくりして廊下へ飛んで出た。
と、廊下には誰もいないので、食堂のドーアを細目に開けて覗いて見ると、今までいた筈の妙子が見えず、幸子と雪子とが食器棚の抽出からテーブルクロースを出したり、一輪挿を片附けたりしていた。
そして幸子が、