「あのくらいなこと、たまには云うといた方がええねん」
と、あとで幸子にそう云っただけで、もうその話は忘れたようにしていたので、とうとうその朝の出来事は、悦子にも貞之助にも感づかれないでしまった。
ただその明くる日、終日妙子が姿を見せなかったので、今日はこいちゃん、どないしたんやろ、………風邪でもお引きになったんでしょうか、と、悦子とお春が不思議がった。
「あのくらいなこと、たまには云うといた方がええねん」
と、あとで幸子にそう云っただけで、もうその話は忘れたようにしていたので、とうとうその朝の出来事は、悦子にも貞之助にも感づかれないでしまった。
ただその明くる日、終日妙子が姿を見せなかったので、今日はこいちゃん、どないしたんやろ、………風邪でもお引きになったんでしょうか、と、悦子とお春が不思議がった。