井谷が「いかがでございます」と、これも何処かからの贈物らしいチョコレート菓子の缶を出したが、一同お腹が出来ているので、誰も手を出す者がなく、番茶ばかりがよく売れた。
と、光代が、御牧さんにサーヴィスなさいよと、母にすすめて、ウィスキーを部屋に取り寄せたので、御牧は遠慮する風もなく、ボーイさん、これごと置いてってくれ給えと、角罎を傍へ引き寄せて、チビリチビリやりながらしゃべった。
会話は井谷が巧い工合に引き出すので、ソツがなく運んで行ったが、御牧さんは家をお持ちになるとして、東京でなければいけませんの?