分けても雪子は、平素から「あたしは普通の人よりも胃袋が小さい」と云っており、一遍に取る食物の量が僅少なのであるが、そのために又普通の人より早く腹を空かせる癖があって、ややともすれば脳貧血を起しそうになるので、その癖を知っている幸子は、これでパアマネントを懸けても大丈夫であろうかと、自分よりも雪子の方が心配になり、黙って寒そうな様子をしている彼女の顔を覗き込んでばかりいた。
で、ようよう二時過ぎに順番が廻って来、雪子から先にやらせて、幸子が済んだのは四時五十分頃であったが、帰りしなに、蒔岡さんと云うお方にお電話でございます、と云われて出て見ると、中姉ちゃん、まだかいな、もう五時になるやないの、と、妙子がさすがに気を揉んでホテルから懸けて来たのであった。
ふん、分ってる、今済んだとこやねん、直ぐに帰るわ、………と、つい電話口で大阪弁を出してしまって、二人は慌てて戸外へ出たが、