三十一
彼女たちの滞京最後の日、第三日目の朝から午後へかけての間は、例に依って頗る忙しい半日であった。
幸子の最初の予定では、今日は一日観劇のために空けて置こう、そして明日の午前中に道玄坂を訪い、午後に土産物などを買って夜行で立とうと云うつもりであったが、夜汽車は来る時に懲り懲りした、睡眠不足が溜っているから、早く帰って自分の寝室で足腰を伸ばさして欲しい、と、先ず妙子が云い出したのに、雪子も賛成した。
三十一
彼女たちの滞京最後の日、第三日目の朝から午後へかけての間は、例に依って頗る忙しい半日であった。
幸子の最初の予定では、今日は一日観劇のために空けて置こう、そして明日の午前中に道玄坂を訪い、午後に土産物などを買って夜行で立とうと云うつもりであったが、夜汽車は来る時に懲り懲りした、睡眠不足が溜っているから、早く帰って自分の寝室で足腰を伸ばさして欲しい、と、先ず妙子が云い出したのに、雪子も賛成した。