幸子は、姉と向い合って座に就いた瞬間から、この数箇月来抱いていた淡い反感のようなものが次第に消えて行くのを覚えた。
遠く離れて考えていた間こそ、快からぬ感情も湧いたけれども、こうして差向いになって見れば、姉はやっぱり昔の姉で、何処も変ってはいないのであった。
そして今、歌舞伎の狂言のことを聞かれて見ると、たまたま四人の姉妹が東京に落ち合いながら、ひとりこの姉を除け者にして芝居に誘わなかったことが、何だか意地悪をしたようで、済まなく感ぜられて来るのであった。
幸子は、姉と向い合って座に就いた瞬間から、この数箇月来抱いていた淡い反感のようなものが次第に消えて行くのを覚えた。
遠く離れて考えていた間こそ、快からぬ感情も湧いたけれども、こうして差向いになって見れば、姉はやっぱり昔の姉で、何処も変ってはいないのであった。
そして今、歌舞伎の狂言のことを聞かれて見ると、たまたま四人の姉妹が東京に落ち合いながら、ひとりこの姉を除け者にして芝居に誘わなかったことが、何だか意地悪をしたようで、済まなく感ぜられて来るのであった。