バスルームから出て来た幸子は、妙子が観劇の衣裳のままで羽織も脱がずに、絨毯の上に新聞紙を敷いて横倒しにすわったなり安楽椅子に靠れかかっているのを見、皆の附合いで帰り路を歩かせられたのが答えたのであろうと察しはしたが、それにしても、そのくたびれ切ったような姿勢が尋常でない気がしたので、
「こいさん、まだ体が本当でないのんやろうけど、何処ぞ外にも悪いとこあるのんと違うやろか。
帰ったら一遍櫛田さんに診て貰うことやな」
バスルームから出て来た幸子は、妙子が観劇の衣裳のままで羽織も脱がずに、絨毯の上に新聞紙を敷いて横倒しにすわったなり安楽椅子に靠れかかっているのを見、皆の附合いで帰り路を歩かせられたのが答えたのであろうと察しはしたが、それにしても、そのくたびれ切ったような姿勢が尋常でない気がしたので、
「こいさん、まだ体が本当でないのんやろうけど、何処ぞ外にも悪いとこあるのんと違うやろか。
帰ったら一遍櫛田さんに診て貰うことやな」