僕は三好を詰るような語句は用いなかったけれども、彼はこのような結果になったについては、自分にも一半の責めがあることを認め、丁寧な言葉で罪を謝したが、彼の口占から察すると、二人がそんなことになったのは、どうも三好の方からしかけたのではなく、妙子が三好を誘惑したのであるらしい。
三好は、こんなことを云うと卑怯のように聞えますけれども、と言訳しながら、僕も意志が弱かったのが悪いですが、しかし決して自分の方から積極的に出たのではありません、前後の事情、まことに已むを得ない羽目になってつい間違いを仕出来したのですから、それだけはどうか御推察になって下さい、こいさんに聞いて下されば僕の云うのが譃でないことがお分りになります、と云っていたが、多分それが事実であろう。
何にしても、そう云う訳なので、彼は此方の申出を承諾したばかりでなく、僕の心持も諒解して、感激していたようであった。