そして、僕はこいさんを妻に持つような資格のある人間でないことは、自分でも承知していますが、しかし将来結婚をお許し下さるなら、誓ってこいさんを幸福にして上げるつもりです、実は内々責任を感じておりましたので、お許しが得られた場合のことも考えて、僅かながら貯金もしております、僕はそうなりましたら、たとい小さくとも一軒独立した店を構えて、あまり品の悪くない西洋人向のバアでも経営しようと思っておりますが、こいさんもゆくゆく洋裁の方で身を立てて、夫婦共稼ぎをしようと云っておられますので、経済上のことについてもお宅の御迷惑になるようなことはいたしません、などとも云っていた。
と、そう貞之助は妻に語った。
その翌日、妙子は兵庫の産婦人科の船越病院と云うのへ行き、妊娠は五箇月足らず、予定日は来年四月上旬と云う診断を受けて来た。