あんた、何で分ったん、と、幸子が聞くと、お照どんが最初に感づきまして、何やこいさんの様子がけったいや、そうと違うやろか、云い出したのでございますが、でも私等だけでそない申しておりましたので、誰にもしゃべったことはございません、とお春は云った。
妙子とお春とを有馬へ立たせてしまってから、或る日貞之助は今日奥畑を訪問したと云って帰って来、妻に次のようなことを話した。
―――奥畑の家はかねて西宮の一本松の傍だと云うことであったから、彼処へ行って見たけれども、もうあの辺には住んでいなかった。
あんた、何で分ったん、と、幸子が聞くと、お照どんが最初に感づきまして、何やこいさんの様子がけったいや、そうと違うやろか、云い出したのでございますが、でも私等だけでそない申しておりましたので、誰にもしゃべったことはございません、とお春は云った。
妙子とお春とを有馬へ立たせてしまってから、或る日貞之助は今日奥畑を訪問したと云って帰って来、妻に次のようなことを話した。
―――奥畑の家はかねて西宮の一本松の傍だと云うことであったから、彼処へ行って見たけれども、もうあの辺には住んでいなかった。