数年以来兎角義妹たちが小生を疎んじ、貴君や幸子ちゃんを慕うところから、当方も捨てて置くつもりではなかったのであるがつい不行届きになり、何かにつけてそちらにばかり御迷惑をかけることになって申訳がない。
雪子のことについて御返事がおくれていたのは、別に意味があったのではなく、いつもいつもこの事で貴君たちの御厄介になるのが余り心苦しくて、手紙の書きように困っていただけのことである。
小生は雪子が当方へ戻って来てくれなかったことについて、貴君に責任があるなどと思ったことは一遍もないし、従って、雪子を結婚させるのは貴君の義務だなどと思いもしない。