と、ちょうど十時頃のことで、貞之助も悦子も出かけてしまったあとなので、彼女はひとりゆっくりと足腰を休めるために二階の寝室へ上って行ったが、ふと机の上を見ると、西比利亜経由の外国郵便が二通、封を切ったまま置いてあり、その傍に夫の手で、
シュトルツ夫人とヘニング嬢から珍しい便りが来た。
悦子が早く内容を知りたがるので封を切ったら、シュトルツ夫人のは独逸語で書いてあった。
と、ちょうど十時頃のことで、貞之助も悦子も出かけてしまったあとなので、彼女はひとりゆっくりと足腰を休めるために二階の寝室へ上って行ったが、ふと机の上を見ると、西比利亜経由の外国郵便が二通、封を切ったまま置いてあり、その傍に夫の手で、
シュトルツ夫人とヘニング嬢から珍しい便りが来た。
悦子が早く内容を知りたがるので封を切ったら、シュトルツ夫人のは独逸語で書いてあった。