三十七
三月一杯を渋谷の姉夫婦の許で暮した雪子は、結婚の日までそのまま滞留していてもよいのであったが、矢張長くはいる気になれず、それよりは蘆屋の家族たちとこそゆっくり名残を惜しみたいので、月が変るとさっさと此方へ戻って来てしまった。
そして、国嶋からの伝言として、挙式を二十九日の天長節にすること、披露は帝国ホテルで行うこと、御牧側では、子爵は老体のことであるから、嗣子の正広夫妻が代理を勤めるであろうこと、等々の話をした。
三十七
三月一杯を渋谷の姉夫婦の許で暮した雪子は、結婚の日までそのまま滞留していてもよいのであったが、矢張長くはいる気になれず、それよりは蘆屋の家族たちとこそゆっくり名残を惜しみたいので、月が変るとさっさと此方へ戻って来てしまった。
そして、国嶋からの伝言として、挙式を二十九日の天長節にすること、披露は帝国ホテルで行うこと、御牧側では、子爵は老体のことであるから、嗣子の正広夫妻が代理を勤めるであろうこと、等々の話をした。