三人は次々にその赤ん坊を抱き取って見たが、突然妙子が激しく泣き出したのにつられて、幸子も泣き、お春も泣き、三好も泣いた。
まあ、まるで市松人形のような、………と、幸子は云ったが、その蝋色に透き徹った、なまめかしい迄に美しい顔を視詰めていると、板倉だの奥畑だのの恨みが取り憑いているようにも思えて、ぞっと寒気がして来るのであった。
妙子はそれから一週間後に退院したが、余りおおびらに出歩かなければ差支えあるまいと云う貞之助の意見に従って、三好の許へ引き取られることになり、兵庫の方に二階借りをして、その日から夫婦暮しを始めた。