それはまあええとしましても、そのために人形の製作の方がだんだん不熱心になって来て、最近殆ど仕事らしい仕事してはれしません。
そんで僕、どう云う考か知らん思うて聞いてみましたら、もう人形みたいなもん厭になった、もっとみっちり洋裁を習うて、将来はその方を専門にやる、今のところ、人形の方もたんと注文受けているし、弟子もあるさかい、一遍に止めることは出来んけど、追い追い弟子に跡を譲ることにして、自分は洋裁の方で立って行きたい、それには姉さん達の諒解も得て、半年か一年ぐらい仏蘭西へ遣らしてもろて、彼方で修業したと云う肩書を得て来んならん思うてる、云うてはりますねん。
「へえ、こいさんそんなこと云うておりますか」