「何のおあいそものうて、えらい失礼いたしまして、―――」
と、幸子はそう云って送り出しただけで、夫が会わなかったことについては、わざと言訳をしないでしまった。
奥畑の話が本当とすれば腑に落ちかねることなのであるが、妙子は近頃も矢張仕事が忙しいと云っていて、朝は大概貞之助や悦子と前後して出かけ、戻りはいつも一番おそく、三日に一度は外で夕飯を済まして帰宅するという風であった。
「何のおあいそものうて、えらい失礼いたしまして、―――」
と、幸子はそう云って送り出しただけで、夫が会わなかったことについては、わざと言訳をしないでしまった。
奥畑の話が本当とすれば腑に落ちかねることなのであるが、妙子は近頃も矢張仕事が忙しいと云っていて、朝は大概貞之助や悦子と前後して出かけ、戻りはいつも一番おそく、三日に一度は外で夕飯を済まして帰宅するという風であった。