妙子は自分のことについて奥畑が姉に告げたこと、―――人形の製作を洋裁に乗り換えようと欲していること、そのために短期間でも仏蘭西へ修業に行きたいと思っていること、等々を否定しようとはしなかった。
しかしだんだん尋ねて行くと、それには一つ一つ相当な理由があって、妙子としてはなかなかよく考えた結果であることが分った。
人形の製作に飽きた訳と云うのは、自分ももう大人になったのであるから、いつ迄も少女のするようなたわいのない仕事をするよりは、何かもっと社会的に有意義なことをやりたい、そしてそれには、自分の天分なり、嗜好なり、技術修得の便宜なりから、洋裁が一番よいと考えるに至った。