見物席に当てられた応接間には、今日舞う人達の家族の外にはわざと案内を出さないようにしたために、精々二三十人ほどの頭数が見えているだけであったが、その中に交ってローゼマリーとフリッツとが、最前列に席を占めて、ときどき膝を崩したり胡坐を掻いたりしながらも、大人しく座布団の上にすわって、一番最初の悦子の舞から見物していた。
外のテラスには、この二人の母であるヒルダ・シュトルツ夫人もいた。
彼女は今日の催しのことを子供達から聞いて、是非見に行くと云っていたのであるが、さっき悦子のが始まる時にフリッツが知らせに行ったので、庭の方から這入って来たのであった。