何や、お前は附いて来んかてええ、帰んなさいと怒鳴ると、はい、其処まで行かして戴きますと云いながら追って来て、旦那さん、其方へいらしったらあきません、此方の方がよろしゅうございますと、東へ行かずに、南へ真っ直ぐに下って行くので、貞之助もそれに従って国道まで出た。
そしてなるべく南の方へと迂回して、阪神電車の線路の北一二丁程のところまでは、大して水に漬からずに来ることに成功したが、小学校へ達するのには、その辺でどうしても東へ横切らなければならなかった。
が、幸いその辺は水が浅くて長靴とすれすれぐらいの深さしかなく、阪神の線路を越えて旧国道の手前まで来ると、意外にも一層浅くなっていた。