と云うのは、来た時よりも水が又一二寸殖え、水勢も強くなっていたので、貞之助は短い区間ではあったが、悦子を背負わなければならなかった。
ところが背負ってみるととても歩きにくく、忽ち足を取られそうになるので、お春が激しい水の勢を体で割いて進んで行くその蔭に添いながら行くのでなければ、危険で一歩も足が出なかった。
先頭を切るお春の方も、深い所では腰の辺まで漬かってしまうので、容易なことではなかった。
と云うのは、来た時よりも水が又一二寸殖え、水勢も強くなっていたので、貞之助は短い区間ではあったが、悦子を背負わなければならなかった。
ところが背負ってみるととても歩きにくく、忽ち足を取られそうになるので、お春が激しい水の勢を体で割いて進んで行くその蔭に添いながら行くのでなければ、危険で一歩も足が出なかった。
先頭を切るお春の方も、深い所では腰の辺まで漬かってしまうので、容易なことではなかった。