貞之助が門を出ると、お春が又無謀にも追いかけて来たが、いや、今度こそお前は来てはならぬ、それより幸子と悦子だけでは家の方が心許ないから、しっかり留守番をするように頼むと、きびしく云い付けて追い返して、家から半丁ほど北のところで線路へ上った。
と、それから数丁の間は全然水を見ず、纔かに森の辺から両側の田圃が、二三尺の深さで浸水している程度であった。
森を出て田辺へかかると、水は却って線路の北側だけになり、南側は平日の通りであったが、本山駅へ近づくに従って次第に南側にも水を認めるに至った。
貞之助が門を出ると、お春が又無謀にも追いかけて来たが、いや、今度こそお前は来てはならぬ、それより幸子と悦子だけでは家の方が心許ないから、しっかり留守番をするように頼むと、きびしく云い付けて追い返して、家から半丁ほど北のところで線路へ上った。
と、それから数丁の間は全然水を見ず、纔かに森の辺から両側の田圃が、二三尺の深さで浸水している程度であった。
森を出て田辺へかかると、水は却って線路の北側だけになり、南側は平日の通りであったが、本山駅へ近づくに従って次第に南側にも水を認めるに至った。