彼等は今朝、登校して一二時間たった時分にこの騒ぎになり、授業が休みになったので、水禍の中を岡本駅まで逃げて来て見ると、阪急は不通であると云われて、更に省線の本山駅まで来たのであるが、省線も矢張駄目であることが分ったので、暫く駅で休んでいた。
(さっき構内の水掃きを手伝っていたのは彼等なのであった)が、水はだんだん増して来るし、そうしていても不安なので、神戸方面へ帰る者と大阪方面へ帰る者と二組に分れ、兎も角も線路を伝わって歩いて行くことに極めたのであると云う。
この連中はいずれも元気な青少年たちのことであるから、そんなに危険を感じてもいず、一人が水に篏まり込んだりすると、可笑しがって喚声を挙げている。