貞之助は渦巻の中をリヤカーが一台廻転しながら流れて行くのを、ぼんやり眺めていた。
彼は家を出る時、自分は冒険的なことはしない、危いと見れば途中から引っ返すと云って来たのに、いつの間にかこう云う状態の中へずるずると這入り込んでしまった形であったが、でもまさか「死」と云うことは考えられなかった。
女や子供ではないのだし、いざとなったらどうにかなると云う高を括った気持が何処かにあった。
貞之助は渦巻の中をリヤカーが一台廻転しながら流れて行くのを、ぼんやり眺めていた。
彼は家を出る時、自分は冒険的なことはしない、危いと見れば途中から引っ返すと云って来たのに、いつの間にかこう云う状態の中へずるずると這入り込んでしまった形であったが、でもまさか「死」と云うことは考えられなかった。
女や子供ではないのだし、いざとなったらどうにかなると云う高を括った気持が何処かにあった。