野寄がそんなにひどいとすれば行ける訳はないのであるから、途中で引き返して来そうなものだのに、未だに帰って来ないのはどうしたのであろう。
もう少し、………もう少し、………と思いながら、知らず識らず危険区域へ足を蹈み入れて、水に取り巻かれてしまった、と云うようなことはないであろうか。
それとも又、夫は用心深い代りに、思い立ったことはなかなか諦めないたちであるから、何とかして目的地へ着こうとして、此方の道が駄目なら彼方の道からと云うように、いろいろな方角から進んで見たり、一時何処かで水の減るのを待って見たりしているのでもあろうか。