幸子は、どう云う訳でここのところがそんなに好きなのだか自分にもよく分らないのだけれども、恐らくそれは、いつものハイカラな妙子には全然見られないしおらしいものが、この恰好の中に出ているからであるかも知れない。
彼女は妙子と云うものを、自分たち姉妹の中では一人だけ毛色の変った、活溌で進取的で、何でも思うことを傍若無人にやってのける近代娘であると云う風に見、時には憎らしくさえなることがあるのだけれども、この舞姿を見ていると、矢張妙子にも昔の日本娘らしいしとやかさがあることが分って、今迄とは違った意味で可愛らしくもいとおしくもなって来るのである。
そして、結いつけない髪に結い、旧式な化粧を施しているせいで常とは変って見える顔つきに、持ち前の若々しさや溌剌さが消えていて、実際の年齢にふさわしい年増美と云ったようなものが現れているのにも、一種の好感が持てるのであった。