そして、彼が辛うじて学院の建物へ取り着いた後に於いて、津浪が絶頂に達したのであった。
彼は暫く校舎の屋上に上って茫然としていたが、ふと気が付くと、玉置女史の住宅の方の、女中部屋の屋根の上に立って頻りに手を振っている者があって、それが女中の「兼や」であった。
兼やは板倉が自分に気が付いてくれたと分ると、応接間の窓の方を指さし、それから指を三本出して見せ、それから空に片仮名でタエコと書いて見せた。
そして、彼が辛うじて学院の建物へ取り着いた後に於いて、津浪が絶頂に達したのであった。
彼は暫く校舎の屋上に上って茫然としていたが、ふと気が付くと、玉置女史の住宅の方の、女中部屋の屋根の上に立って頻りに手を振っている者があって、それが女中の「兼や」であった。
兼やは板倉が自分に気が付いてくれたと分ると、応接間の窓の方を指さし、それから指を三本出して見せ、それから空に片仮名でタエコと書いて見せた。