貞之助はさっきもそう云う泥沼に篏まり込んで片一方の靴を取られてしまっていたので、残る一方の靴も脱ぎ捨て、靴下だけの足袋跣足になって行ったが、いつもなら一二分のところを行くのに、実に二三十分を要したのであった。
行き着いて見ると、洋裁学院のあったあたりは異様に変り果てていた。
学院の門は殆ど埋没して纔かに門柱の頭が少しばかり地面に露出しているに過ぎず、平屋建ての校舎も、スレート葺きの屋根だけを残して埋まっていた。
貞之助はさっきもそう云う泥沼に篏まり込んで片一方の靴を取られてしまっていたので、残る一方の靴も脱ぎ捨て、靴下だけの足袋跣足になって行ったが、いつもなら一二分のところを行くのに、実に二三十分を要したのであった。
行き着いて見ると、洋裁学院のあったあたりは異様に変り果てていた。
学院の門は殆ど埋没して纔かに門柱の頭が少しばかり地面に露出しているに過ぎず、平屋建ての校舎も、スレート葺きの屋根だけを残して埋まっていた。