妙子はまだ体力が恢復しておらず、意識もいくらかぼんやりしているように見え、始終貞之助や板倉に靠れかかったり背負われたりしたが、住吉川の本流がすっかり涸れ上ってしまった代りに、東の方に別の住吉川が出来、それが国道の甲南女学校前あたりから田中あたり迄の間を塞いで流れ落ちているので、いずれにしてもそこを通り越すのはなかなか難渋なのであった。
彼等はその川の中流まで達した時に、東の方から渡渉して来た庄吉と都合よく行き遇って、そこから一行四人になった。
田中へ来ると、近い所だから僕の家で一と休みなすっていらっしゃいませんか、僕も実は自分の家がどうなっているか心配なのですと、板倉が云うので、貞之助は帰りを急いでもいたけれども、妙子がそんな風であるから、彼女を休息させるために板倉方で又一時間程くつろがして貰った。