新聞で見ても、住吉川と蘆屋川の沿岸が最も被害激甚であることは明かであったが、甲南小学校の生徒の死んだことなどが載っているのを読んだ雪子は、何よりも悦子の安否を知りたかった。
すると翌日、貞之助が大阪の事務所から電話をかけて来たので、鶴子と雪子とが代る代る出て、聞きたいと思うことを一と通り聞いた。
その際雪子は、心配なので明日にも立とうと思っていたところであったことを語り、どうしたものであろうかと相談を持ちかける風であったが、貞之助は、来たくて来るのは差支えないけれども、そんな訳だからわざわざ見舞いに来て貰う程のことはないし、大阪から西はまだ鉄道も復旧しないような状態だから、と、そう云って電話を切った。