そして幸子たちは、その頃義兄が素晴らしいお嬢さんのところへ婿に貰われて行ったと云われて、郷里や会社で評判になっていることを聞いて、そのくらいに云われるのが当り前であると、妹同士で囁き合ったものであった。
姉はそれから十五六年の変遷を経て、六人の子を生み、暮し向きもだんだん以前のように楽ではなくなり、何かと辛労が多くなって来たので、もうあの頃の精彩はないけれども、しかしそれだけの身長と肉体とに恵まれていたからこそ、今もこの程度の若さを保っていられるのであろう。
幸子はそう思って、抱かれた梅子が平手でぴたぴた叩いている姉の胸元の、まだたるみのない皮膚のつやと色の白さとを打ち眺めた。