そして非常な物凄さになったのは、十時頃からであったろうか。
幸子は悦子と雪子の三人で、二階の八畳に寝ることになっていたので、その晩も、初めのうちは三人で二階にいたが、あまりひどく家が揺れるので、悦子がひしと彼女にしがみ着き、姉ちゃん此方へいらっしゃいと云って、雪子をも母の寝床の方へ引っ張り寄せて、自分は間へ挟まりながら両手で二人の首っ玉へかじり着くようにしていた。
幸子も雪子も、「恐い」と悦子が悲鳴を挙げる度に、恐いことはあれへん、直き止むよって安心しなさいと、最初はそう云っていたのであったが、だんだん悦子がしがみ着くのと同じ力で自分達の方からもしがみ着き、三人がぴったり顔を寄せ着けて、一つのかたまりになって抱き合っていた。