幸子も雪子も、「恐い」と悦子が悲鳴を挙げる度に、恐いことはあれへん、直き止むよって安心しなさいと、最初はそう云っていたのであったが、だんだん悦子がしがみ着くのと同じ力で自分達の方からもしがみ着き、三人がぴったり顔を寄せ着けて、一つのかたまりになって抱き合っていた。
二階には八畳に三畳の次の間と、廊下を隔てて四畳半とがあって、その四畳半に輝雄と哲雄が寝ていたが、起きて来て八畳の間を覗きながら、叔母ちゃん、下へ行きませんか、と、輝雄が誘った。
下へ行った方が幾らか安全じゃないでしょうか、ねえ、下へ行きましょうよ、下でもみんな騒いでいるようですよ、―――停電していて真っ暗なので、輝雄の顔は分らなかったけれども、そう云う声に尋常でないものがあった。