そして一回は一回と開きかたがひどくなるのである。
幸子は丹後の峰山の地震の時に大阪の家が随分揺れたのを記憶しているが、地震の場合は瞬間的で、風のように時間が長くはないし、何にしても柱と壁が離れたり合わさったりすると云うようなことは始めてであった。
皆が顫えている中で努めて泰然としていた辰雄も、その壁の様子を見て不安になったらしく、ここの家だけがこんなに揺れるのと違うだろうか、隣近所は普請がええからまさかこんなことはあるまい、………と、そう云い出したので、小泉さんの所なんかきっと大丈夫だよ、あの家は頑丈だし、平屋だから、………と、輝雄がその尾について云った。