と、雪子はびっくりしたように云ったが、明日午前中に診察が受けられるなら、少し忙しないけれども午後に買い物などをして、夜の汽車で立てなくはない、あたしは格別急ぐ用もないけれども、悦子の学校が始まっているのにそういつ迄も休ませる訳に行かないから、早く帰った方がよいと思う、それで雪子ちゃんも、お春どんも、明日のお午頃までに此処へ来て貰いたい、あたし等もそれ迄には杉浦博士の所から帰って来て、午後に皆で買い物に出かけよう、もう一度渋谷へも顔出しをしなければ悪いのだけれども、とても行っている暇がないから、兄さんにも姉ちゃんにも宜しく云って置いてほしい、と、彼女はそう云って夕飯後二人を帰した。
その明くる日は可なり忙しい慌しい一日であった。
先ず朝のうちに本郷西片町にある杉浦博士邸を訪ねて診察を受け、本郷薬局へ廻って処方箋を示して調剤を乞い、赤門前からタキシーを拾って浜屋へ戻ると、雪子とお春とが来て待っていた。