と、お春を掴まえて云ったりした。
妙子は夏じゅう休んでいた製作の仕事を、この間から始めようと思いながら、留守中は外出することを控えていたのであると云って、幸子が帰った明くる日から夙川へ通い出した。
洋裁学院の方はまだいつ始まるか分らず、山村の師匠もああ云うことになってしまって、さしあたり製作より外に仕事がないので、こう云う機会にかねてから考えていた仏蘭西語の稽古をしようかと思うのだけれども、―――などとも云ったが、それならマダム塚本に来て貰おう、あたしも雪子ちゃんが止めてから止めているけれど、こいさんが始めるなら始めてもよい、と幸子が云うと、うちは初歩から習うのだから一緒では工合が悪い、それに仏蘭西人は月謝が高いから、と云って笑った。