さればこそあの手紙に狼狽させられた訳であるが、帰宅してから妙子の態度に何の変化も認められず、晴れやかな顔つきをしているのを見ると、この妹にそんな後暗いことがありそうもないと云う気分の方が強くなって、あの時あんなに慌てたのが可笑しくさえ思えて来るのであった。
どうも、今から考えると、自分も東京にいた間は悦子の神経衰弱が感染していたのかも知れない。
実際東京のあの苛々した空気の中にいれば、自分のような者は神経が変にならずにはいない。
さればこそあの手紙に狼狽させられた訳であるが、帰宅してから妙子の態度に何の変化も認められず、晴れやかな顔つきをしているのを見ると、この妹にそんな後暗いことがありそうもないと云う気分の方が強くなって、あの時あんなに慌てたのが可笑しくさえ思えて来るのであった。
どうも、今から考えると、自分も東京にいた間は悦子の神経衰弱が感染していたのかも知れない。
実際東京のあの苛々した空気の中にいれば、自分のような者は神経が変にならずにはいない。