が、欧洲の風雲がますます急を告げていることは新聞で見ても明かなので、そう云う所へ妹を一人旅立たせるのは彼女としても不安であり、本家も許す筈がないので躊躇していたのであるが、玉置女史が同行してくれると云うなら、考え直す余地はあった。
妙子の云うのには、玉置女史もそんなに長く行っているつもりではない。
女史が往年巴里へ行ったのは大分前のことなので、機会があったらもう一度出かけて最新の流行を研究して来たいと思っていた矢先、今度の水害で校舎の改築をしなければならなくなったので、その期間を利用して出かけることにしたのであるから、大体半年ぐらいで帰朝するのである。