部屋は壁も、天井も、窓掛も、寝台も、一様に乳白色がかった緑色をしてい、寝室は数々の花束で埋まっていて眼の覚めるような明るさであった。
夫人がローゼマリーを呼んで、エツコさんに船の中を見せてお上げなさいと命じたので、ローゼマリーは彼方此方を案内して歩いたが、悦子はもうあと十四五分しかないと思うと気が気でなく、ただ素晴らしく贅沢な船であったことと、何度も階段を上ったり下りたりしたことぐらいしか覚えていない。
彼女が船室へ戻って見ると、別れの言葉を交しながら夫人も泣き、母も泣いていた。
部屋は壁も、天井も、窓掛も、寝台も、一様に乳白色がかった緑色をしてい、寝室は数々の花束で埋まっていて眼の覚めるような明るさであった。
夫人がローゼマリーを呼んで、エツコさんに船の中を見せてお上げなさいと命じたので、ローゼマリーは彼方此方を案内して歩いたが、悦子はもうあと十四五分しかないと思うと気が気でなく、ただ素晴らしく贅沢な船であったことと、何度も階段を上ったり下りたりしたことぐらいしか覚えていない。
彼女が船室へ戻って見ると、別れの言葉を交しながら夫人も泣き、母も泣いていた。