夫人がローゼマリーを呼んで、エツコさんに船の中を見せてお上げなさいと命じたので、ローゼマリーは彼方此方を案内して歩いたが、悦子はもうあと十四五分しかないと思うと気が気でなく、ただ素晴らしく贅沢な船であったことと、何度も階段を上ったり下りたりしたことぐらいしか覚えていない。
彼女が船室へ戻って見ると、別れの言葉を交しながら夫人も泣き、母も泣いていた。
そして間もなく、彼女達は合図の鉦の音に追い立てられて下船した。
夫人がローゼマリーを呼んで、エツコさんに船の中を見せてお上げなさいと命じたので、ローゼマリーは彼方此方を案内して歩いたが、悦子はもうあと十四五分しかないと思うと気が気でなく、ただ素晴らしく贅沢な船であったことと、何度も階段を上ったり下りたりしたことぐらいしか覚えていない。
彼女が船室へ戻って見ると、別れの言葉を交しながら夫人も泣き、母も泣いていた。
そして間もなく、彼女達は合図の鉦の音に追い立てられて下船した。