だがそう云っても、それは二人の存在が煩わしいと云う意味ではなくて、反対に、二人のお蔭で常に家庭の色彩が豊富にされ、雰囲気が花やかにされているのを、幸子は喜んでいたのであった。
なぜかと云って、亡くなった父親の陽気で派手な性質を誰よりも濃く受け継いでいる彼女は、家の中の淋しいことが大嫌いで、いつも賑やかに若やいで暮して行きたかったからであった。
であるから、妹達が本家を嫌って二番目の姉の家の方でより多くの月日を送りたがるのを、彼女は姉夫婦の手前、決して此方から勧誘することはしなかったけれども、心の底には歓迎する気持があった訳なので、本家のように子供の多い所で暮させるよりは、家が広いわりに小人数な自分の手元に預かる方が自然であるようにも感じていたのであった。