彼女は今度一人ぼっちになって見て、始めて自分が、友達らしい友達を持っていないこと、―――形式的な交際以外には奥様同士の附合いと云うものを余りしていないこと、―――に心づいて、不思議に感じたのであるが、考えて見れば、それは二人の妹がいたためにその必要がなかったからであった。
そうして今や、ローゼマリーを失った悦子と同じように、頓に彼女も寂寥を覚え出したのであった。
妻のしょんぼりしている様子を疾うから看て取っていた貞之助は、十月の末に新聞の演芸欄を覗きながら、
彼女は今度一人ぼっちになって見て、始めて自分が、友達らしい友達を持っていないこと、―――形式的な交際以外には奥様同士の附合いと云うものを余りしていないこと、―――に心づいて、不思議に感じたのであるが、考えて見れば、それは二人の妹がいたためにその必要がなかったからであった。
そうして今や、ローゼマリーを失った悦子と同じように、頓に彼女も寂寥を覚え出したのであった。
妻のしょんぼりしている様子を疾うから看て取っていた貞之助は、十月の末に新聞の演芸欄を覗きながら、