尤も、そう云っても、良い縁があれば行きもするが、それにしても身に職を付けて置く方が、いくらか条件が有利になる、洋行迄して一廉の肩書を持って帰朝すれば、自分を不良少女と云うように見ていた人も見直してくれるであろうから、一種の名誉回復になる、だから是非許可して貰いたい、そしてその費用を出してくれたら、今後結婚することがあっても支度金を貰おうとは思わない、と云う風に話し込んだらどうであろうか。
―――これは主として幸子の提案なのであったが、妙子もそれに異議はなく、どうとでも中姉ちゃんの好いと思う方法で頼んで欲しい、と云うことになった。
しかし幸子は、その晩夫にその使命を依頼する時、自分の一存で猶一つ二つ云い添えた事柄があった。