今年の四月、南禅寺の瓢亭へ行った時にも、一番先に座敷へ通って雪子より上にすわってしまい、お膳が出ると誰よりも先に箸をつけたので、後で幸子は、こいさんと一緒にお料理屋へ行くのは御免やと、雪子に囁いたことがあったが、夏に北野劇場へ行った時にも、食堂で、雪子がお茶を入れて皆の前へ配っているのに、妙子は見ながら手伝おうとせず、黙ってそのお茶を飲んでいた。
そんな風な行儀の悪さは、前から幾らかあったけれども、最近に至って特に甚しく眼につくようになった。
この間の晩も、幸子が何気なしに台所の前の廊下を通ると、そこの障子が半開きになっており、風呂の焚き口から風呂場へ通じる潜り戸が又五六寸開いていて、湯に漬かっている妙子の肩から上の姿が、隙間からちらちら見えるので、